一筋縄ではいかない許認可手続き
自分の仕事は、ある一定の事務手続きを完遂した結果として報酬をいただくことです。
行政書士の主力業務である建設業許可にしても産業廃棄物収集運搬業許可にしても、やってみれば誰でもできることと思うはずです。
何度もやるほどにパターンがわかってくるものですから、この手数料で高くないかな?なんて疑問を持つ場面も出てきます。
そして、一定の経験則から建設業許可や産業廃棄物収集運搬業許可が取得できそうだという予想はある程度ついてくるものです。
しかし、世の中よくできたもので、手数料をいただいてやる仕事というのは、頭でイメージできたほど単純ではなかったケースも実は多々あります。
予想以上に手間がかかり、資料の取り寄せが多くなったりとします。役所との折衝が必要なケースもかなり出てくるものです。
書かれているマニュアル通りにはいかないケースのほうが圧倒的に多いようです。
単純で簡単な儲け話なんてものはないよということが、仕事をやるほどに思い知らされるものですね。
簡単な儲け話でうまくいってしまうほど不運なものはないのでしょう。
事業承継で40億円の借金を背負えますか?
今回のおすすめ本は「ある日突然40億円の借金を背負う それでも人生なんとかなる」です。
順風満帆なサラリーマン生活を送っていた著者が、親が亡くなったことで借金まみれの会社を引き継がざるをえないというありえないくらい理不尽な内容の本です。
会社の社長と言えば聞こえはいいでしょうが、実際には苦の連続、逆境の連続ということが赤裸々に語られています。
起業を目指したいという夢を打ち砕くような内容になっていますが(笑)、甘い夢から目を覚まさせてくれる内容で僕はとても良い本だと思います。
成功を目指しても、失敗したとしても経営の行き着くところは、成長なのだとどなたかがおっしゃっていました。
成功のみに価値を認めるような起業は、僕は非常に危険と考えています。なぜ危険と考えるのか?は、すべてこの本の中に答えがあるような気がしますね。
個人事業主の建設業許可申請
建設業の役員変更
ここ数ヶ月の間、お世話になっている会社の社長が続けざまにお亡くなりになっています。
大変残念なことです。
その事後処理をしているときに思うことがあります。
たとえば、建設業許可を取得している会社には一定の有資格者が必要とされています。
このようの場合に社長のみにその資格があり、他の人(奥様やご子息など)がその条件を満たさなければ許可要件を満たせなくなり、許可業者を廃業せざるを得ない場合があります。
こうした許認可上の経営リスクもありますので、特に建設業許可など許認可を取得している場合には、非常事態に備えた役員体制を引いておく必要があると感じました。
いずれにしても、残念ながら人の死は予測できるものではありません。
しかし、そうしたことも頭の隅に入れておく必要もあるとつくづく思いました。
起業についてふと思うこと
起業という言葉。資本金の規制がなくなり、1円から会社設立ができるようになったとき、起業ブームが起きました。
起業=儲かる、成功、金持ち・・・といった陽のイメージが主としてありますが、本当のところ、苦と逆境の連続ではないか?と僕は思います。
才覚、努力次第でお金を稼げるのかもしれませんが、同時にお金を支払うことが社長の仕事です。
起業をすれば、お金を支払わなくてはいけない先がたくさん出てきます。
月々の支払いに頭を悩ませ、神経を尖らせるのが、経営の本当の姿なのかもしれないと思うことがあります。
だからこそ、そこでしか得られない体験の数々が、人としての成長をもたらすのだと思います。
会社を設立し、起業をしても、失敗に終わる可能性だって十分あります。
成功が都合よく自分にもたらされるわけではない現実に気づくことが、起業の意味なのかもしれません。
しかし、成功、失敗に関わらず、成長は確実にできるのも、起業の意味だと思います。
無料相談会
遺産分割協議書作成にあたり
先日、相続手続きの依頼を受けまして、遺産分割協議書作成に取りかかっているところです。
手順としては、まず相続財産と相続人の調査からはじまり、戸籍謄本などの資料の取り寄せ、書類の作成、相続登記手続きとなります。
ですが、相続人同士の話がまとまらないとにっちもさっちもいかないのが、この業務の特徴です。
また、亡くなった方に隠し子などがいようものならさらに輪をかけて調整が大変になります。
手数料もそれにしたがってかなり異なってきますので、遺産分割協議書作成に取り掛かる前の相談の段階で状況を的確につかむことときちんとした見積もりの提示が不可欠です。
目に見えないサービスが商品になる以上、明瞭価格の提示がとても大切と考えています。
事業年度終了報告申請
行政書士の仕事をやっていると決算書が読めるかどうか?が、問われる場合が結構あります。
行政書士=法律のみならず、行政書士=会計という側面もありますね。
独立前の頃は、まったく決算書のことなどわかっていませんでしたし、資格試験にも出ない領域です。
なので、独立後、僕は簿記を勉強しだしました。
これが、かなり役に立ちます。
建設業許可を取得したお客さんには、毎年提出する事業年度終了報告があり、入札参加をする場合には経営事項審査があります。
特に経営事項審査では決算書を読めると同時につくりかえることも要求されるので、簿記の学習はとても役に立ちますね。
数字の勉強は僕にとって抵抗がある分野でしたが、やってみればとても役に立つし、興味もわいてくるので簿記はおすすめです。
質の高いお客さんを呼び込む方法
自分の仕事の質を高めるほど、良いお客さんに恵まれます。
これは、僕が開業から今までの経験の中で感じていることです。
質が高いとは、特別なことでもなんでもなく、当たり前のことを誠実に行うことだと思います。
そんなの簡単だと思えることをきちんとやるには、お客さんをはじめ人を大切に思う気持ちが絶対に必要だと僕は考えています。
ところが、自分をよくよく省みれば、やったほうがいいなと思っていたことをお客さんにできていないことが多いように思えるのです。
お客さんや仕事に対する思いが深いか?浅いか?が、細かいところに嘘偽りなく出るような気がしますね。
そして、それは間違いなく周りに伝わってくものです。
お客さんの見えないところでもベストを尽くしていれば、電話でも対面でも堂々と胸を張って対応できるものではないでしょうか?
質を高めるほど仕事は面白くなるものでしょうし、そのエネルギーにつられてお客さんが自分を信頼してくれるものだと僕は考えています。