Category Archives: 仕事に生かせる一冊

仏教思想と商人道

今、読んでハマっているのがこの本。形山睡峰著「禅と哲学のあいだ」

仕事をつきつめて考えると日常に行きつくように感じています。そして、そんな日常の根本には命があり、命の先には仏性があり、仏性の先には?最近は、そのようなことをよく考えます。

日常とは人の営みであり、それは商売も同様。

日常を整えることによって目の前のにある仕事、縁、人間関係も整っていくものではないかと考えています。

では、なぜ整えていく必要があるのか?その明確な答えはなかなかわかりえないところもあります。

その一方、人間を存在たらしめる何者かがそうさせているようにも感じています。

掃除、整理整頓を行えば気分がいい、やるべき仕事、作業をきちっと終えられれば気分がいい。

そんなところに何者かの意図を感じるからです。

仕事をつきつめて考えると己を虚しくすることで人様、世間様のお役に立っていくことになります。

その喜びの渦中に身を置くことが商人道を歩むことと今の自分は理会しています。そして、このことは仏道にも通じていくものではないかと強く思うのです。

昨今では、自己実現、個人の尊厳といった言葉が何の疑いもなく使われている気がしますが、そこを一歩踏み込んで考えていくと違う世界が見えてくるものではないでしょうか?

己、個人とは一体何者か?という疑問です。そんな個は、一体何のために存在しているのか?という疑問にも通じていきます。

禅とは日常であるとするならば、そこには奥深い何かが潜んでいる。

それを探っていくのが哲学ということとなのではないでしょうか?

これからの時代は人間の奥深さが問われていくはずです。だからこその本日の一品でした。

正直者?

今日は、仕事の関係で東京都あきる野市に行ってまいりました。

埼玉の東の端から東京の西の端までということで結構、いいドライブになりました。

今回は、いつもお世話になっている税理士さんからの紹介なのですが、お互いに初対面です。

初対面というのは、やはりいつも緊張しますね。

ところが、実際にお会いしてみるととても気さくな方で、直感でいい人だなと思える方でした。

やはり、第一印象はいいほうがいいと改めて思いました。

そして、直感で伝わる人柄も非常に重要だと感じました。

では、人に伝わる第一印象や人柄とは何で決まってくるのでしょうか?

服装、身だしなみなどが挙げられるかと思います。

もちろん、そうした面もありますがもっと根本のところにその答えがあるように思えるのです。

それは日常の暮らし方、生き方なのでしょう。

これはごまかしがききません。

面従腹背では、いくら身だしなみがよくても、どこかしらでボロが出てしまうものです。

だからこそ、日常の中で心を磨いていくことが商売をつづけていく上で問われているように思えてなりません。

心学の祖石田梅岩は、正直という美徳を第一に挙げていました。

正直とは、裏も表もなく人に接することだと考えます。

心にどこかやましいところがあれば、胸を張って生きていくことができませんよね。

特に今のような情報がすぐに行きわたってしまう時代だからこそ、正直さ、誠実さが、ストレートに人の心に伝わってしまうものではないでしょうか?

逆に言えば嘘やごまかしは、簡単に身を滅ぼしてしまうとも言えます。

人間ですから100点というわけにはいきませんが、たとえ50点であったとしてもそれを曝せる勇気を自分は賞賛したいと思います。

自身の欠点、失敗を含めて、それをごまかすことなく表現していくことが、人様からの信用と安心の礎となっていくのでしょう。

そう考えてみると正直の前提にあるものは、勇気なのでしょうね。

1984

これは、衝撃の1冊でした。読んでいてゾッとする本です。

というのも、現代社会の風潮を描いているようにしか思えないからです。

国家がなんでもかんでも関与し、管理、監視する社会。

規制大国日本なんて言葉のとおり、法律やら規制やらが毎年、バンバンつくられています。

なんでも最近は表現の自由を脅かしかねないものもあるようで・・・。

あまりに規制だらけになると人間はどうなるのか?

規則にべったりで考えることができない人間になってしまうような気がしてなりません。

とある繁盛店のラーメン屋さんの前の道路。

そこの駐車違反の取り締まりを厳しくしたところ、お客さんが激減し、潰れてしまったという話を以前聞いたことがあります。

だったら、駐車場借りればいいじゃないか!とかいう意見もあるかもしれませんが、都内ではなかなか駐車場をすぐに確保できない事情もあったのでしょう。

そして、最も考えるべき点は、そもそもそこの場所は迷惑だったのか?ということです。実際に現場に行った人からすれば、迷惑駐車にはなりにくい場所だったとか・・・。

また、近隣のお店のやっかみもあったのかもしれませんね。

いずれにしても、まず規制ありきとなると人間としての想像力が乏しくなっていくようです。

まさにそのような欠如が、この本の中にリアルに描かれています。

逆に人間社会において心のあり方、思想といったものがいかに大切かを思わずにはいられなくなります。

規制とは?法律とは?国家とは?そんなことを深く考えさせてくれる一冊です。

最強思考

4847091261jpg最近、自分の息子の成長が著しいです。

自分でできることは、すべて自分でやろうとしている姿を見るとなんだか頼もしい気分にもなれます。

立ちたいと思えばすぐに立とうとするし、歩きたいと思えばすぐに歩こうとします。

コケて痛い思いをしても、次の瞬間にはまた同じ動きに挑戦します。

愚痴も文句も泣き言も言わず、ただやってみたい純粋な思いに忠実に生きているようです。

そんな姿を見ていると、我々大人のほうが頭を使い過ぎて挑戦していないことを反省してしまいます(笑)

痛い思いを避けたいばかりについつい守りに入ってしまう自分に息子が教えてくれているようですね。

それにしても赤ちゃん脳なんて、うまいことを考えつくものですね。

最強の所以が実体験を通じてよくわかりました(笑)

 

s_nihonshi最近、ハマっているのが、この本「少年日本史」。

少年となっていますが、現代の大人にとっても充分読み応えのある本です。

そう考えると、数十年前に書かれた少年向けの本のレベルが高い!

というより、今の大人のレベルが下がっている?とも言えそうです(笑)

いずれにしても、日本という国がどのような経緯で今につながっているのか?

これをまず知ることが、とても大切だと感じられる本です。

日本は歴史上、様々な苦難を乗り切って国体を護ってきました。

では、なぜ護ってこられたのでしょうか?

それは、一言で言えば、軸を失わなかったからだと思うのです。

軸とは、日本とは、そして日本人とはどのような存在なのか?という問いかけです。

大難に遭った時こそ、何が大切なのか?を見失ってはいけないよというメッセージが、この本の中にたくさんつまっています。

危機に直面すれば、小手先の対処療法だけに捉われがちです。

しかし、このようなときこそ根源的な問い、原点とは何か?を考え直さなければいけないのでしょう。

商売にも、人間関係にも大いに役立つ本です。

また、政治家の方々にも是非読んでいただきたい本です。

是非、ご一読を!

 

 

凛とした日本人になれ

rinntoshitas今日、ご紹介する本は、アジアチャイルドサポートでご活躍されている池間先生と読書のすすめ店長の清水さんの著書です。

内容は、かなり刺激的です。どのように刺激的か?といえば、これから先の日本の行く末を考えざるを得なくなるほどの密度の内容となっています。

そして、まだまだもっと、僕は勉強しないといけない!と奮い立たせてくれる啓発本です。

読んでいて本当にスッキリ感が心に残るのは、著者がキレイごとだけを並べていないからでしょうね。

日常の中、仕事を一生懸命に取り組む一方でやはり、日本の将来のこともきちんと考えていかなければいけないなと。

きちんと国家のありようを考える中、僕ら国民一人一人が深く根のはった見識を持つこと、胆力を持つことが、外交上でも不可欠ではないか?と僕には思えます。

いくら仕事に懸命に取り組んでいたところで屋台骨の国が滅びてしまったらどうにもなりませんよね。

土台や根本をより深く考えることが大切なのだとつくづく感じました。

ちなみにこの本を課題本として心学商売繁盛塾で読書会を開催します。

このようなインパクトのある本が課題本になっているので、今からとても楽しみです。

 

 

 

石田梅岩

baiganみなさんは、心学の祖と言われる石田梅岩という人物をご存じでしょうか?

僕が事務局をつとめていく心学商売繁盛塾の冠の心学の祖ですから、自分が知らないわけにはいかない人物なのですけどね(笑)

江戸時代に儒教、仏教、神道といった様々なジャンルの学問をとらわれることなく学んだ人物として知られています。

江戸時代と言えば、士農工商という身分制度があったのは周知のとおりです。

当時、一番身分の低かった商人は学者などから卑しい存在と貶められていたのですが、商人の役割の重要性を公に広めました。

学問を深めることとは、知識を入れていくことではなく、行動することでしかできないことだと述べられています。

本当にその通りですよね。一生懸命に仕事をし、自分の考えを深めていってこその学問であり、読書だと思います。

また、その中で陽明学でも知られる知行合一という言葉が出てきます。

実践に基づいた学問でなければ、意味がないとの主張が、この本の中でされているのですが、僕も本当にその通りだと思います。

お茶の吉田晋彩先生も「実践に結びつかない理論では、意味がない。」とおっしゃっていましたが、その考えにも通じることだと思いました。

知は、行動に表れると同時に状態にも表れる=知行合一

人間の想念は、嘘偽りなく現実の世界に投影されていくということなのかもしれません。

生きていれば、いろいろなことに遭いますが、そこを転換してこその人間力だと僕は考えています。

それができなければ、読書が入っていないに等しいものと考えています。

世間が暗くなってしまうことに同調して暗くなるようでは、自分の人生を生きることにはなりません。

外的事象が苦であるほどに、陽の気を発する人間力が、常に問われているのではないでしょうか?

実践に生かしていなければ、それは本当に学んだことにはならないのでしょう。

心学とは、そういうものだと思っています。

苦の反対は陽

kurozumi今日は、おすすめ本の紹介です。

商売や仕事をやっていれば、必ず嫌でも遭遇する苦。

人間関係上や仕事上のトラブル、試練は、当たり前のように僕らに降りかかってきます。

そんな試練やトラブルは避けたいものと多くの人は思うのかもしれません。

そんな渦中にいれば、この状況を改善し、楽な状況にしていきたいと思うのが、正直なところです。

そんなところから、苦の反対は、楽という概念は生まれたのかもしれませんね。

ところが、苦の反対の楽を追い続ければ、人生はその繰り返しで終わってしまうのでしょう。

苦あれば楽あり、楽あれば苦ありのように。

しかし、苦の反対を陽と捉えれば、大きな成長につながっていくように思えるのです。

試練を目の前にしても、陰気や弱気に負けることなく元気に対応できる人間力。

これが、人間性に大きな飛躍をもたらすのではなかろうか?と僕は思います。

もちろん、このように言葉にするのは簡単ですが、現実の中で「苦の反対は陽」という意識を持つ、持たないとではだいぶ変わってくるように感じています。

足もとの親孝行から悟った人の話は、やはり説得力が違いますね。

自分の心に根をはる一冊に間違いなくなるでしょう。おすすめです。

 

ikiruこの本、ようやく4巻まで読み終えました。

今までのところで印象に残ったところが、ウサギと亀の話。

有名な話なので、ご存知の方も多いかと思います。

まぁ、ウサギが途中で寝なければ、亀は負けていたと思う人が大半でしょうね~。

しかし、著者は、最後は亀が勝つとおっしゃっているんです。

というのも、短距離競争ならば、ウサギは勝つだろうが、人生は長い。

というわけで、地道に、ごまかさず、楽をせず、着実に歩むほうが勝つのだということだそうです。

一方、足の速いうさぎは長い過程で慢心したり、油断したり、鼻もちならない嫌な奴になることが多いのだと。

ウサギのような人、亀のような人を多く見てきた著者の現実に即した考えは、とても説得力があります。

読んでいて、なるほど~と思わずうなずいてしまいました。

一方で、こうもおっしゃっています。

ごまかさない生き方、着実に足場を固めながら歩む生き方は、難しいのだと。

確かにそうですよね。僕なんか人が見ていなければ楽をしようとか、テキトーにやってしまおうという油断のならない弱い自分がいますから。

平凡に徹しきることは、できそうでできないことなのかもしれませんね。

ただ、それは、本当は誰しもできることなのでしょう。

意識や心のあり様は、大切です。

 

成功者とは?

4930838551僕は昔からこの本を座右の書としているようです(笑)

というのも、成功と書いてはあるものの、書かれている内容がいやらしくないから好きなのです。

成功の本来の意味は、功を成す。

公のためにつくす仕事をすることで、徳を身につけていくという意味合いで使われているように感じます。

今の世の成功法則ときたら、金!金!金!

いくら稼ぐのか?が基準となっています。

成金になるために必要なことのオンパレードで、本当に下品だと思います。

些末な欲にとらわれていれば、絶対に成功できないのが、世の道理かと僕は思います。

そして、成功の意味をはき違えてはいけないとも思っています。

お金に執着すれば、本人は気づかないかもしれませんが、とても下品に見えます。

一方、己の生き方に誇りを持てるよう、日々精進している人は、とても気品があります。

どちらが本当の成功者なのでしょうか?世間の基準に踊らされないことが大切なのではないでしょうか?

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