仏教思想と商人道

今、読んでハマっているのがこの本。形山睡峰著「禅と哲学のあいだ」

仕事をつきつめて考えると日常に行きつくように感じています。そして、そんな日常の根本には命があり、命の先には仏性があり、仏性の先には?最近は、そのようなことをよく考えます。

日常とは人の営みであり、それは商売も同様。

日常を整えることによって目の前のにある仕事、縁、人間関係も整っていくものではないかと考えています。

では、なぜ整えていく必要があるのか?その明確な答えはなかなかわかりえないところもあります。

その一方、人間を存在たらしめる何者かがそうさせているようにも感じています。

掃除、整理整頓を行えば気分がいい、やるべき仕事、作業をきちっと終えられれば気分がいい。

そんなところに何者かの意図を感じるからです。

仕事をつきつめて考えると己を虚しくすることで人様、世間様のお役に立っていくことになります。

その喜びの渦中に身を置くことが商人道を歩むことと今の自分は理会しています。そして、このことは仏道にも通じていくものではないかと強く思うのです。

昨今では、自己実現、個人の尊厳といった言葉が何の疑いもなく使われている気がしますが、そこを一歩踏み込んで考えていくと違う世界が見えてくるものではないでしょうか?

己、個人とは一体何者か?という疑問です。そんな個は、一体何のために存在しているのか?という疑問にも通じていきます。

禅とは日常であるとするならば、そこには奥深い何かが潜んでいる。

それを探っていくのが哲学ということとなのではないでしょうか?

これからの時代は人間の奥深さが問われていくはずです。だからこその本日の一品でした。