石田梅岩
みなさんは、心学の祖と言われる石田梅岩という人物をご存じでしょうか?
僕が事務局をつとめていく心学商売繁盛塾の冠の心学の祖ですから、自分が知らないわけにはいかない人物なのですけどね(笑)
江戸時代に儒教、仏教、神道といった様々なジャンルの学問をとらわれることなく学んだ人物として知られています。
江戸時代と言えば、士農工商という身分制度があったのは周知のとおりです。
当時、一番身分の低かった商人は学者などから卑しい存在と貶められていたのですが、商人の役割の重要性を公に広めました。
学問を深めることとは、知識を入れていくことではなく、行動することでしかできないことだと述べられています。
本当にその通りですよね。一生懸命に仕事をし、自分の考えを深めていってこその学問であり、読書だと思います。
また、その中で陽明学でも知られる知行合一という言葉が出てきます。
実践に基づいた学問でなければ、意味がないとの主張が、この本の中でされているのですが、僕も本当にその通りだと思います。
お茶の吉田晋彩先生も「実践に結びつかない理論では、意味がない。」とおっしゃっていましたが、その考えにも通じることだと思いました。
知は、行動に表れると同時に状態にも表れる=知行合一
人間の想念は、嘘偽りなく現実の世界に投影されていくということなのかもしれません。
生きていれば、いろいろなことに遭いますが、そこを転換してこその人間力だと僕は考えています。
それができなければ、読書が入っていないに等しいものと考えています。
世間が暗くなってしまうことに同調して暗くなるようでは、自分の人生を生きることにはなりません。
外的事象が苦であるほどに、陽の気を発する人間力が、常に問われているのではないでしょうか?
実践に生かしていなければ、それは本当に学んだことにはならないのでしょう。
心学とは、そういうものだと思っています。