医療法人設立認可申請の重要ポイント

大まかな全体像を掴んでおきます

 

医療法人を設立し開業するまでの道筋を示すと以下のとおりです。なお、ここでは最も件数の多い社団で無床診療所をモデルとしています。

1.関係する役所(都道府県庁、保健所、厚生局など)へ諸手続きにつき事前確認を行う

2.予備審査の申込(医療法人は、年2回の受付のみ)

3.予備審査後、追加資料及び補正の対応

4.申請書類作成の完了および本申請

5.認可後に医療法人設立登記を法務局でおこなう

6.登記完了後、保健所へ診療所開設許可申請をおこなう

7.診療所開設許可後に開設届、レントゲン設置届、登記完了届を行う。

  ここでは、個人診療所廃止届も忘れずに届け出る。

8.管轄厚生局への保険医療機関指定申請を経てからの開業

9.その他に労災や生活保護などの公費負担医療機関指定申請

以下、それぞれの注意事項について触れていきます。


医療法人はすぐに設立できるわけではありません

 

医療法人設立認可申請は、概ね年2回の受付のみです。また、その認可申請も予備審査からはじまります。

医療法人として開業できるまでには、ややゆとりをもって7~8ヶ月要すると考えたほうがよいでしょう。

認可を取得できなければ設立登記ができません。ここは、登記のみで設立できる会社や一般社団法人、一般財団法人等とは全く異なります。

法人認可、設立後に即開業できるわけではありません

 

医療法人は認可後に設立登記をすることによって成立しますが、すぐに法人として開業できるわけではありません。管轄保健所の許可や保険医療機関の指定申請などの重要な手続きがそこから始まります。

したがって設立後2ヶ月ほどのゆとりをもって開業日を設定したほうがいいです。ちなみに保険医療機関指定申請は各月で締め切り日が決められていますのでここは注意が必要です。

 

複数の役所との事前打ち合わせ、事前確認が求められる

 

医療法人設立認可申請には、担当する役所との事前打ち合わせ、確認事項がたくさんあります。それぞれの役所で求められている期間、要件もあります。

ここでしっかりと順序を踏んで正確に手続きを進めていかなければ思わぬ事態に陥り、開業予定日に大幅な狂いが生じることもあります。

設立をお考えになれば、諸手続きに入る前の事前準備、事前打ち合わせに慎重を期して取り組む必要があります。

 

予備審査にご注意

 

予備審査とは押印は必要ありませんが、必要書類、裏づけ資料をすべて揃えた上で申請します。

ここで不備の多い書類作成、資料収集をしてしまうと予備審査そのものが受け付けられず、本申請ができなくなってしまいます。

予備審査といえども本申請のつもりでしっかりとした対応が求められるので注意が必要です。

 

社員と役員との違いを認識しておく

 

個人診療所では院長先生一人の決断でできた事柄が、医療法人では組織で決めていくことになります。そこで違いを認識しておいたほうがよいのは、社員と役員の違いです。

社員は一人一議決権を持ち医療法人の定款、役員選任等の重要議決事項を決める権限を有しています。一方、役員は日常の業務執行決定権はありますが、運営根本の決定権はありません。

例えば医療法人の根本規則である定款を変更する権限は社員にありますし、役員を選任、解任する権限も社員に帰属します。

つまり、社員のほうが役員よりも権限が上なのです。社員とはいっても会社で言えば株主に近い存在です。

非常に大きな権限がありますので慎重な人選が必要となります。ちなみに医療法人では3人以上必要とされています。

 

行政書士の現場視点

 

医療法人設立認可申請の際には法令の知識もさることながら、現場での手続きに精通した方がアドバイザー等でいたほうが絶対にいいです。

というのも、認可が下りておしまいではなくそこからまた重要な諸手続きが続いていくからです。しかも認可前にも事前審査や管轄保健所との事前確認などが求められてもいます。

ここでちぐはぐなことをやってしまうと医療法人としての開業日が大幅に遅れてしまい、結果大きな損失が生じかねません。

それは、我々にとってもミスのできない重要な手続きであることを意味しています。数ある行政書士業務の中でも比較的難易度が高く、とても神経を使う手続きが、この医療法人設立認可申請なのです。